事業報告について
■2024年度一般社団法人七尾青年会議所 理事長報告(案)
壁屋 俊輔
本年は自分の人生にとって忘れることのできない一年となりました。今年度の予定者段階では65周年という節目の一年に対して、人口減少や少子高齢化が避けられない能登地域にとって、これから絶対的に必要となる他地域・他団体との広域連携を横の糸、七尾青年会議所の創始から受け継がれる先輩方の想いを縦の糸とし、その想いを未来へ紡いでいくことを目的とし、温故知新~想いを紡ぎ、未来を切り拓こう~というスローガンを掲げ、準備をおこなってまいりました。
しかし、その理想は元日に発生した令和6年度能登半島地震により、脆くも崩れることとなりました。新年早々に発生した地震に対し、街中が混乱する中、七尾青年会議所の理事長として年初から全国各地からのいただいたご支援とご協力に応えなければならないという想いと、生業となる地域の建設業者としてこのまちの復旧・復興の最前線に立たなければならないという想いの狭間での葛藤がありました。
そのような中で、自分たちも大変な状況下にもかかわらず、七尾青年会議所の多くの方から、“一刻も早く道路や水道を直すこと!自分の今やっていることにしっかりと自信を持って頑張れ!”と言っていただいた言葉を励みに、1日も早いまちの復旧に尽力をさせていただきました。その時に、JAYCEEとしてまちを守っていただきました七尾青年会議所のすべてのメンバー・オブザーバーの皆様に心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
また、年始の混乱から約3か月間、全国各地から多くの方々が七尾を含む能登全域の復旧・復興支援にご協力をいただき、その中でたくさんの激励と刺激と出会いをいただきました。多くの方々にお支えいただきながら活動をしていく中で改めて“自分一人では何もできない”という事を痛感するとともに、自らの事を顧みず全力で青年会議所同志の苦難に対しご支援・ご協力をしていただいた全国各地の青年会議所メンバーの圧倒的な行動力と情熱を感じさせていただきました。
七尾青年会議所の活動といたしましては、4月に入りようやく臨時総会を開催することができました。1月から3月まで復興支援に携わりながら毎日のようにオンラインで顔合わせはしていたものの従来としての青年会議所としての動きを取り戻せた時の喜びは忘れ得ぬものがありました。その後、怒涛のように和倉温泉屋台村の営業開始からわんぱく相撲七尾中能登大会を開催させていただきました。まちのため、ひとのため、我々が今年の前半におこなった行動は、一歩ずつ着実にまちの復興と地域の人々の笑顔を取り戻すために我々ができる最善を模索し続けるものでした。
その中でも特に今年度の活動としては被災したのと5LOMの青年会議所が共に手を取り合いながら行動できたことがとても大きかったと感じています。3月末に幕張メッセにて開催されたアイドルフェス“ひなフェス”や7月のサマーコンファレンスへの復興支援ブースの出店を通して、能登地域で活動をおこなう青年会議所として自分たちの住み暮らすまちのため、しっかりと能登の現状を全国に発信し、LOMの垣根を越えて一丸となって能登の復旧・復興に向けた運動を展開することができました。このことは2020年から毎年、能登5LOM合同例会をおこない紡いできた関係性を最大限に活かし、その絆をより強固なものとすることができたと感じています。
そして今年の後半。10月には一般社団法人札幌青年会議所様・公益社団法人金沢青年会議所様を中心とした全国の青年会議所関係者の方々や地域内外から多くの団体の協力を得る形で地域の笑顔を取り戻す事を目的とした大規模野外イベント“のとスマイルフェス”の実施。その翌日には羽咋青年会議所様を中心としたのと5LOMの協力を得る形で七尾青年会議所として12年ぶりの七尾市長選挙並びに衆議院石川3区選挙公開討論会開催を実施することができました。
のとスマイルフェスでは、2000人を超える能登地域の多くの方々にご来場いただき、運営面では全国各地から多くの方々にご協力をいただく中、LOMとして“少数LOMでもこれだけのことができる”という自信と実績ができたことはとても大きな経験となりました。このことは次年度、いしかわコンファレンスin七尾を主幹するにあたり、とても大きな経験になったと確信していいます。また、石川県史上初の愛知県豊橋市の手筒花火の奉揚を七尾でできたことも大きな実績となりました。
公開討論会では今回初の試みとして、より多くの市民の方々に候補者の声を届けるため、YouTubeでのオンライン配信をおこなわせていただきました。更に、七尾市長選において広告配信をさせていただいた結果、約4000回の視聴回数を記録し、オンライン開催の効果的実証が確認される結果となりました。
さらに10月の勢いをそのままに11月には 能登復興支援事業 中部圏SDGs広域フォーラム 2024 in 七尾 ~持続可能な地域復興の推進~並びに一般社団法人七尾青年会議所65周年記念式典・交流会をおこないました。
中部圏SDGs広域フォーラム 2024 in 七尾 では、中部圏 SDGs 広域プラットフォーム様や 国際連合地域開発センター様、中部大学国際ESD・SDGsセンター様のご協力の元、「SDGsと震災復興」をテーマに、七尾青年会議所として中部圏での広域連携を生み出すきっかけを作らせていただく事ができました。
そして、今年度の最大のテーマであった65周年記念式典・交流会。今年度中の開催自体が危ぶまれましたが、多くのメンバーの情熱と工夫によって開催をすることができました。
和倉温泉お祭り会館を会場とし、七尾の主たる祭りの山車や奉燈が立ち並ぶ展示ホールで記念式典を開催し、従来の祝賀会も震災の影響や4月の開始からのつながりである和倉温泉屋台村を中心とした地域の皆様のご協力の元に交流会という形で実施をいたしました。これらの“この震災渦だからできる事”を通じて、地域の想い・七尾の歴史・各地青年会議所の皆様方の想いを紡がせていただきました。
9月の第二回通常総会後、次年度体制が準備を進めていかなければならない大切で多忙を極める時期の中、このような大規模な事業を立て続けにおこなうことができた事は全てのメンバーの英知と勇気と情熱の結晶であると同時に、次年度以降のLOMの運動に更なる自信をつけることができたのではないかと強く感じています。
結びとなりますが、年初に掲げたスローガンは震災を経て、より深くより強くより広域的なものとなりました。そのような中で、2024年度の一般社団法人七尾青年会議所が年始早々から多くの困難を乗り越え一年を通して活動ができたのはメンバー・オブザーバーの皆様がそれぞれの役割を果たし、みんなで力を合わせて地域の想いと歴史を紡ぎ、熱い情熱を持って未来へバトンを渡してくれた結果であると感じます。そして、その事が実現できたのはメンバー・オブザーバーの皆様だけでなく、その一人ひとりを支えてくれた家族や関係者の皆様がいてくださったおかげであると感じています。その全ての方々に重ねての感謝を申し上げます。
また、私も遂に次年度で卒業となります。次年度は、私を含む6名のメンバー・オブザーバーが同時に卒業という、七尾青年会議所にとってまた一つの転換期を迎えます。私は今日に至るまで多くの先輩諸氏の皆様方にたくさんの熱いご指導をいただきました。残された一年はまちの発展はもちろんの事、先輩諸氏から学んだ多くの事を後輩達に紡ぎ、七尾青年会議所がこれからもまちに必要とされる団体であり続けるよう最後の最後までJAYCEEとしての役割を務めさせていただく事をお誓い申し上げ、理事長報告とさせていただきます。
1年間、本当にありがとうございました。