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2022.08.16
「未来ビジョン構想の集い(第2回)」を開催しました!
講演会:講演「みんなが幸せでありつづけるために」
講師である高野氏には、身体的・精神的・社会的に良好な状態やそれを実感する幸せを指す「ウェルビーイング」をテーマに、ご自身が取組まれている具体的な取組みをベースにお話しいただきました。
高野氏によれば、「ウェルビーイング」の観点で非常に重要となるのは、客観的なモノの豊かさより実感するココロの豊かさであり、社会的な繋がりを持つうえで心身がともに良好な状態であることが非常に大切であることが分かりました。また「ウェルビーイング」のアプローチにおいては、国家的にウェルビーイングに取組んでいるブータン王国の取組みが世界の具体的な事例として紹介されましたが、同じく国家レベルでウェルビーイングを実現できる社会の実現を掲げている日本国内では、各取組みが国民の幸福感に結びついていないことについてもお話がありました。
「幸せを実感できる場をつくる」というテーマでは、高野氏の具体的な取組みとして、福井県におけるウェルビーイングの事例をご紹介いただきました。中止や縮減を余儀なくされたイベントを県内有志グループが実施し、学校プールの開放、図書購入、敬老祝いといった見直し対象事業をできる範囲で補い提供した「できるフェス」というイベントや、歩行者利便増進道路(通称:ほこみち) 制度」の福井版によって、期間限定でのキッチンカーやカフェの出店、市民の憩いとなるくつろぎの場所や賑わい創出となる空間を設置し、歩行者中心の街へ転換する可能性を模索したことなど、身近な取組みを知ることでより実現性を感じられる機会となりました。
最後に、社会的関係性・一人当たりの所得・健康寿命・自己決定感・信頼感・寛容感の主要6要因からなる「社会のウェルビーイング」と、 自立性・有能性・関係性からなる「個のウェルビーイング」を掛け合わせることが非常に大切であり、「居場所」と「ウェルビーイング」の関係性に相関関係があることから「まちに居場所と舞台を」という考え方が、これからのまちづくりに非常に重要であることを学ばせていただきました。